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FXのメンタルと感情のまとめ。心のくせを場面ごとに知り、記録で確かめる

「分かっているのに、またやってしまった」。FX では、知識よりも、その場の気持ちで判断が崩れることがよくあります。このページでは、研究で知られている心のくせを、起きやすい場面ごとに1枚の見取り図にまとめ、自分にどのくせが多いかを記録で確かめる方法を紹介します。それぞれのくせは、くわしい記事で掘り下げています。売買のしかたは書きません。

公開 2026年10月14日書いた人: Tiltnote 運営代表 奥村 健児(FX の経験があります)

ひとことで言うと

トレードの判断を崩す心のくせは、負けた後・勝った後・いつでもの3つの場面で起きやすく、多くは研究で名前がついています。くせは誰にでもあるもので、なくすより、前もって決めておくことと記録して数えることで、自分に多いくせに気づきやすくなります。

今日からの1つ

次のトレードから、損益の横に「入る前の気持ち」を一言だけ書いてください(「焦り」「退屈」「取り返したい」など)。1週間たったら、気持ちごとに勝ち負けを数えます。それだけで、下の見取り図のどれが自分に多いかが見え始めます。

場面ごとの見取り図

トレードで起きやすい心のくせを場面ごとに分けた図。負けた後: 取り返したくなる、損切りを動かす、次は勝つ番と感じる。勝った後(油断しやすい): ハウスマネー効果、ホットハンド、過信。いつでも: アンカリング、確証バイアス、損失回避。記録して数えると、自分にどれが多いかが見える。
くわしくは、下のそれぞれの記事で説明しています。

負けた後に起きやすいこと

実験では、損をした直後の人は、損を取り戻せる見込みのある賭けを選びやすい傾向が見られました。[2] 米国のシカゴ商品取引所のトレーダーを調べた研究では、午前に損をした人は、午後に平均より大きなリスクを取る傾向がありました。[3]

記録での気づき方: 負けた直後(例: 30分以内)に入ったトレードの数と、そのときのロットを数えます。

連敗そのものは、勝率が同じでも回数を重ねれば自然に起きます。→ 連敗が続いた時、確率で見る

勝った後に起きやすいこと

1990年の論文は、先に得をした後にリスクを取りやすくなることを「ハウスマネー効果」と呼びました。[2]

記録での気づき方: 勝った後のトレードで、ロットや回数がふだんより多かった日を数えます。

いつでも起きること

記録での気づき方: エントリーの理由と一緒に「反対の材料」を1つ書けたかどうかを残し、書けなかったトレードの結果と比べます。

分かっていても、守れないのはなぜか

落ち着いている時の人は、気持ちが高ぶった時に自分がどう動くかを、低く見積もりやすい、という考え方があります(「ホット・コールドのギャップ」)。[7] だから、落ち着いている時に決めたルールが、負けた直後には守れないことがあります。くわしくはトレードのルールを決めても守れない時、記録で見えることで説明しています。

記録で確かめる3つのこと

  1. 1行に、気持ちとルールを書く: 損益の横に「入る前の気持ち」と「ルールを守れたか」を書きます。→ トレード日記の書き方
  2. 「もし〇〇になったら、△△する」を前もって決める: 場面と行動を前もって結びつけて決めておくと(実行意図)、目標の達成によい効果があったことが、多くの研究をまとめた分析で報告されています。[8] 例: 「2連敗したら、その日は終わりにする」。例であり、おすすめの数字ではありません。数字は自分で決めてください。
  3. 週に1回、数える: 目標への進み具合を確かめる研究をまとめた分析では、記録を残した時に、その効果は大きめでした。[9] 対象は主に健康や運動などの目標で、トレードの研究ではありません。→ 1か月のトレードの見返し方

その日の回数・損益・連敗を、自分で決めた上限と並べて見るには今日の記録カード、上限の金額を出すには損失の上限の計算が使えます。プロップファームに挑戦中なら、会社の規則にある1日の損失や最大ドローダウンの線と、今の数字を並べて記録しておくと、気持ちが高ぶった時にも線との距離が分かります。→ プロップファームの損失の上限の数え方

このページについて

ここで紹介した研究の多くは、株・先物・カジノ・実験室・健康の目標などで行われたもので、FX だけを調べたものではありません。また、多くは米国など一部の国の人を対象にした研究で、ほかの国や文化でも同じ程度に起きるとは限りません。くせがあるかどうか、どれが多いかは人によって違います。お金やトレードのことでつらい時や、やめたくてもやめられないと感じる時は、ひとりで抱えず、身近な人や、お住まいの地域の相談窓口に相談してください。

参考文献

  1. Kahneman, D., & Tversky, A. (1979). Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. Econometrica, 47(2), 263–291. https://doi.org/10.2307/1914185
  2. Thaler, R. H., & Johnson, E. J. (1990). Gambling with the House Money and Trying to Break Even: The Effects of Prior Outcomes on Risky Choice. Management Science, 36(6), 643–660. https://doi.org/10.1287/mnsc.36.6.643
  3. Coval, J. D., & Shumway, T. (2005). Do Behavioral Biases Affect Prices? The Journal of Finance, 60(1), 1–34. https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.2005.00723.x
  4. Croson, R., & Sundali, J. (2005). The Gambler's Fallacy and the Hot Hand: Empirical Data from Casinos. Journal of Risk and Uncertainty, 30(3), 195–209. https://doi.org/10.1007/s11166-005-1153-2
  5. Barber, B. M., & Odean, T. (2000). Trading Is Hazardous to Your Wealth: The Common Stock Investment Performance of Individual Investors. The Journal of Finance, 55(2), 773–806. https://doi.org/10.1111/0022-1082.00226
  6. Tversky, A., & Kahneman, D. (1974). Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases. Science, 185(4157), 1124–1131. https://doi.org/10.1126/science.185.4157.1124
  7. Loewenstein, G. (2005). Hot-cold empathy gaps and medical decision making. Health Psychology, 24(4, Suppl), S49–S56. https://doi.org/10.1037/0278-6133.24.4.S49
  8. Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119. https://doi.org/10.1016/S0065-2601(06)38002-1
  9. Harkin, B., Webb, T. L., Chang, B. P. I., Prestwich, A., Conner, M., Kellar, I., Benn, Y., & Sheeran, P. (2016). Does monitoring goal progress promote goal attainment? A meta-analysis of the experimental evidence. Psychological Bulletin, 142(2), 198–229. https://doi.org/10.1037/bul0000025

この記事で使えるツール

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Tiltnote は、トレードごとに「そのときの気持ち」と「ルールを守れたか」を残すトレード日記です。手入力の記録は無料、分析は直近2週間まで無料です。気持ちのタグごとの勝率や損益を並べると、自分に多いくせが見えてきます。

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更新日 2026年10月20日 · 運営: Tiltnote 運営代表 奥村 健児 · このサイトについて