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FX 初心者講座第31回 全32回講座の目次

FX 初心者講座

リベンジトレード(取り返しトレード)のやめ方

負けた直後に、ロットを上げてすぐ入ってしまった。そんな経験があるなら、この記事はあなた向けです。負けた直後に「すぐ取り返したい」と思って入るトレードを、取り返しトレード(リベンジトレード)と呼びます。なぜ起きるのかを短く見たうえで、負ける前に決めておける5つの決めごとを紹介します。

公開 2026年10月12日書いた人: Tiltnote 運営代表 奥村 健児(FX の経験があります)

まず1つだけ

5つ全部をそろえる必要はありません。今日は、メモに「負けた直後は、ロットを上げない」と1行だけ書いてください。ほかの決めごとは下の5つから、あとで足せば十分です。すでに大きく減らした人も、自分を責めるより、次の1回の前に決めごとを1つ書く方が先です。

トレードの損が、お金・睡眠・家族や人との関係にまで響いているなら、信頼できる人や、お住まいの地域の、ギャンブルなどへののめり込みやお金の悩みの相談窓口に話すことも考えてください。

取り返しトレードとは

負けた直後に、いつもの手順を飛ばして入ってしまうトレードのことです。よくある形は次のとおりです。

どれも、負けていなければたぶんしなかったことです。「さっき負けていなくても、これに入ったか?」が、取り返しトレードを見分ける一番分かりやすい目印です。

プロップファーム(会社の資金で取引する口座)では、1日の損失の上限や、最大ドローダウン(口座の減り幅の上限)に触れると、口座を失う(失格になる)規則を置いている会社があります。取り返しトレードは、その上限に一気に近づく形になりやすいので、特に気をつけたいところです。

なぜ起きるのか

損をした後に判断が変わりやすいことは、研究でも調べられています。

どれも実験や先物のトレーダーを調べたもので、個人の FX トレーダーに同じ大きさで当てはまるとは限りません。言えるのは、負けた後にリスクを取りたくなるのは、意志が弱い人だけの話ではないということです。だから、その場の気合いに頼るより、前もって決めておく方が役に立つことがあります。

負ける前に決めておく5つの決めごと

「もし〜になったら、〜する」と前もって決めておく計画は、目標の達成を助けると報告されています。[4] トレードを調べた研究ではないので、効き目は人によると考えてください。下の5つは、どれも目新しいものではありません。差が出るのは、負ける前に書いておくかどうかです。数字は人それぞれなので、形だけ参考にして、ご自身の値を入れてください。

1. 1日の損失の上限を、金額で決める

「もし今日の損失が〇〇に届いたら、その日はもう入らない」。割合で決めた上限も、金額に直しておくと、その場で迷いにくくなります。損失の上限の計算で、残高と割合から1日・週・月の金額を出せます。

プロップファームの口座なら、会社が決めた1日の上限より手前に、自分の上限を置くこともできます。会社の上限に触れる前に、自分の線で止まるためです。会社の規則(何時で1日を区切るか、何を損失に数えるか)は会社ごとに違うので、ご自身の会社のものを確かめてください。

2. 連敗の上限と、その後にすることを決める

「もし〇連敗したら、30分は画面から離れる」「もし〇連敗したら、その日は終わり」。回数と、その後の行動を対にして決めます。勝率がそれなりにあっても、回数を重ねれば連敗は起きます。連敗の確率で、ご自身の勝率だと何連敗くらいが起きやすいかを見ておくと、連敗した時に慌てにくくなります。

3. ロットは、負けた後に上げない

「もし負けた直後なら、ロットは前のトレードと同じか、それより小さくする」。ロットは、1回に失ってよい額と損切りの幅から、前もって計算しておけます(ロット計算)。負けた直後に、その場で決めないことが大事です。

4. 次に入る前に、1つだけ自分に聞く

「このトレードは、さっき負けていなくても入ったか?」。答えが「いいえ」か「分からない」なら、見送ります。紙に書いてモニターの横に貼っておく人もいます。

5. 画面を離れる手順と時間を決めておく

「もし上限に届いたら、ポジションが残っていないか確かめて、取引の画面を閉じて、その日の記録を書いて終わる」。やることの順番まで決めておくと、「あと1回だけ」が入りにくくなります。仕事の前や合間に取引する人は、「出かける〇分前になったら、新しくは入らない」と時間で区切るのも1つの方法です。

書いておく例(形だけ)
  • もし今日の損失が〇〇に届いたら → その日は終わり。画面を閉じる
  • もし〇連敗したら → 〇分休む
  • もし負けた直後なら → ロットは同じか小さく
  • もし「さっき負けていなくても入ったか?」に「いいえ」なら → 見送る
  • もし出かける〇分前になったら → 新しくは入らない

「取り返す」を数字で見る

口座が減った後、元の残高に戻すには、減った割合より大きな利益率が要ります。−10% なら +11.1%、−20% なら +25%、−50% なら +100% です。元に戻すのに必要な利益率で確かめられます。減るほど、取り戻すのに必要な割合は急に大きくなります。だからこそ、減り始めた日に上限で止める決めごとが効いてきます。

口座が10%・20%・30%・50%減った時、元の残高に戻すのに必要な利益率は、11.1%・25%・42.9%・100%になる棒グラフ。
各組の上の棒が減った割合(赤)、下の棒が元に戻すのに必要な利益率(緑)。減るほど、戻すのに必要な割合は急に大きくなります。

記録して、自分の形を知る

取り返しトレードは、本人もその場では気づきにくいものです。トレードごとに、次の3つだけでも残しておくと、後から見返せます。

1〜2週間分たまったら、「ルールを守れたトレード」と「守れなかったトレード」で、損益や回数を比べてみてください。どんな時に崩れやすいか、自分の形が見えてきます。

参考文献

  1. Kahneman, D., & Tversky, A. (1979). Prospect Theory: An Analysis of Decision under Risk. Econometrica, 47(2), 263–291. https://doi.org/10.2307/1914185
  2. Thaler, R. H., & Johnson, E. J. (1990). Gambling with the House Money and Trying to Break Even: The Effects of Prior Outcomes on Risky Choice. Management Science, 36(6), 643–660. https://doi.org/10.1287/mnsc.36.6.643
  3. Coval, J. D., & Shumway, T. (2005). Do Behavioral Biases Affect Prices? The Journal of Finance, 60(1), 1–34. https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.2005.00723.x
  4. Gollwitzer, P. M. (1999). Implementation intentions: Strong effects of simple plans. American Psychologist, 54(7), 493–503. https://doi.org/10.1037/0003-066X.54.7.493

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更新日 2026年10月20日 · 運営: Tiltnote 運営代表 奥村 健児 · このサイトについて