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FX 初心者講座第27回 全32回講座の目次

FX 初心者講座

1日の損失上限の決め方(自分の口座で)

朝の1回目で負けて、取り返そうとして2回目、3回目。気づけば、1週間分の利益を1日で失っていた。そんな日を防ぐ1つの方法が、「1日の損失の上限」を前もって決めておくことです。誰かが決めてくれる上限がなくても、自分の口座に自分で置くことはできます。この記事では、その決め方を紹介します。

公開 2026年10月12日更新 2026年10月21日書いた人: Tiltnote 運営代表 奥村 健児(FX の経験があります)

まず1つだけ

今日の取引を始める前に、「今日はここまで負けたら終わり」という額を、金額で1つ書いてください。メモでも紙でもかまいません。割合で考える人も、金額に直しておくと、その場で迷いにくくなります。

なぜ「前もって」「金額で」決めるのか

負けた後は、ふだんと同じ判断がしにくくなります。損を早く取り戻したくなり、決めていない場面で入ったり、ロット(1回の取引の量)を増やしたりしやすくなります(取り返しトレードのやめ方)。だから、上限は負ける前に決めておきます。

また、「3%まで」と割合だけで覚えていると、負けている最中に計算することになります。金額にしておけば、見るだけで分かります。

3つの入口から決める

決め方に正解はありません。次の3つの入口から考えて、自分に合う額を選びます。

1. 1回の許容損失から

1日の上限 = 1回の許容損失 × 「その日に許す負けの回数」。たとえば1回の許容損失が 100(口座の通貨)で、「3回負けたら終わり」なら、上限は 300 です。

2. 残高の割合から

1日の上限 = 残高 × 自分で決めた割合。損失の上限の計算に残高と割合を入れると、1日・週・月の金額と、何回の負けで1日の上限に届くかが出ます。

3. 暮らしから

「この額を1日で失っても、住まいや食事、家族へのお金、睡眠に響かない」と思える額です。数字の計算とは別に、自分の暮らしから見た上限も考えておきます。

3つの額を並べて、一番小さいものを1日の上限にする人もいます。どの決め方でも、決めた額は、ご自身の判断です。

計算の例(おすすめではありません)
  • 残高 10,000(口座の通貨)、1回の許容損失 1% → 100
  • 1日の上限 3% → 300(1回 100 の負けなら、3回で届く)
  • 週の上限 6% → 600、月の上限 10% → 1,000

残高が 200 なら、1% は 2、3% は 6 です。残高の大きさにかかわらず、計算の形は同じです。ただ、残高が小さいと、損切りの幅によっては、業者が決めた一番小さいロットでも、1回の損が許容損失を超えることがあります(一番小さいロットは業者や口座によって違います)。数字は計算の形を見せるための例です。ご自身の手法・残高・暮らしに合わせて決めてください。

決めたら、数で確かめる

何回の負けで届くか

上限が「3回の負け」で届くなら、連敗だけでも届くことはめずらしくないかもしれません。勝率50%で、毎回の勝ち負けが互いに関係しないとすると、10回の取引のうちに3連敗以上が起きる確率は約51%、20回なら約79%です(計算の例)。連敗の確率の計算で、ご自身の勝率と回数で確かめられます。届く日があるのは、上限が働いているということでもあります。

週と月の上限も

1日の上限に何日も続けて届くと、口座は大きく減ります。週や月の上限も決めておくと、減り方に歯止めがかかります。減った後に元へ戻すには、減った割合より大きな利益率が要ります(−10% なら +11.1%、−20% なら +25%)。ドローダウンの回復の計算で確かめられます。

決めておく細かいこと

「もし今日の損失が上限に届いたら → 新しくは入らない」のように、「もし〜なら〜する」の形で書いておくのが1つの方法です。

今日あといくらで上限に届くかは、今日の記録カードに上限を入れておくと、トレードのたびに見られます(額を入れた勝ちと負けを差し引いて計算します。額を入れていない取引は入りません)。

上限を変えるのは、負けた日ではなく、決めた日に

負けた日に「今日だけ上限を上げる」と、上限の意味がなくなります。変えるなら、たとえば月に1回など、取引していない時に、記録を見ながら決めます。残高が大きく変わった時も、その時に金額を計算し直します。

研究で分かっていること(短く)

どれも1日の損失の上限そのものを調べた研究ではありません。上限を決めれば成績が良くなる、とまでは言えません。それでも、負けた後は判断が変わりやすいこと、前もって決めた計画は守りやすくなることは、研究からもうかがえます。

損が続いて苦しい時や、やめたいのにやめられないと感じる時は、一人で抱えなくて大丈夫です。多くの国や地域に、お金やのめり込みについて相談できる窓口があります。

参考文献

  1. Thaler, R. H., & Johnson, E. J. (1990). Gambling with the House Money and Trying to Break Even: The Effects of Prior Outcomes on Risky Choice. Management Science, 36(6), 643–660. https://doi.org/10.1287/mnsc.36.6.643
  2. Coval, J. D., & Shumway, T. (2005). Do Behavioral Biases Affect Prices? The Journal of Finance, 60(1), 1–34. https://doi.org/10.1111/j.1540-6261.2005.00723.x
  3. Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119. https://doi.org/10.1016/S0065-2601(06)38002-1

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この記事で使えるツール

上限は、決めて、見える所に。

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更新日 2026年10月21日 · 運営: Tiltnote 運営代表 奥村 健児 · このサイトについて