取引の費用の種類
- スプレッド: 買値と売値の差。取引のたびにかかります。多くの場合、履歴には別の欄として出ず、約定した価格の中に含まれています。
- 手数料: 1回(または1ロット)ごとにかかる費用。口座の種類によって、ある場合とない場合があります。
- スワップ: ポジションを次の日に持ち越すと、払う(または受け取る)お金。宗教上の理由で利息を避ける人向けなど、スワップのない口座もあります。その代わりに、別の手数料がかかる口座もあるので、口座の条件を確かめてください。
- そのほか: 入金・出金の手数料や、口座の通貨と違う通貨で入金・出金した時の両替の費用など。業者だけでなく、銀行・カード会社・送金サービスの側でかかる分もあります。
言葉の意味は、FX 用語集も参考にしてください。
履歴から数える手順
- 期間を決める: たとえば先月の1日から末日まで。
- 回数を数える: その期間に決済した取引の数。
- 手数料とスワップを足す: 取引アプリの履歴には、手数料とスワップの欄がある場合が多いです(MetaTrader 5 には、手数料とは別の「Fee」の欄もあります)。期間の合計を書き出します。入金・出金・両替の費用があれば、それも足します(銀行やカード会社の側でかかる分も)。
- スプレッドの分を見積もる: 1回あたりのスプレッドの額 × 回数。1回あたりの額は、pips の価値の計算に、ロット数と、「動いた幅」にスプレッドの pips を入れると出ます。
- 全部を足して、残高と比べる: 費用の合計 ÷ 月の初めの残高 × 100(%)。
スプレッドは時間帯や値動きによって変わるので、見積もりはおおよその額です。
- EUR/USD を 0.1 ロット(1ロット=10万通貨の場合。つまり1万通貨)、スプレッド 1pips、米ドル口座 → 1回のスプレッドは約1米ドル
- 1か月に 200回(たとえば1日10回 × 20日)→ スプレッドの分は約200米ドル
- 手数料が1ロット(10万通貨)につき往復(入る時と出る時の合計)5米ドルの口座なら → 0.1 ロット × 5米ドル × 200回 = 100米ドル
- スワップの合計が −20米ドルなら → 費用の合計は約320米ドル(受け取った=プラスの時は、その分を費用から引きます)
- 月の初めの残高が 5,000米ドルなら → 320 ÷ 5,000 = 約6.4%
- 円口座の例(スプレッドの分だけ): USD/JPY を 1万通貨、スプレッド 1銭(0.01円)→ 1回 約100円。月200回で約2万円。残高 50万円なら約4%
ほかの通貨の口座でも、計算の形は同じです。同じ費用でも、残高が小さいほど割合は大きくなります。金額より割合で見てください。手数料やスプレッドは、業者・口座の種類・時間帯によって大きく違います。
数えると分かること
回数と費用は、ほぼ比例する
1回の費用が同じなら、回数が2倍になれば費用も約2倍です。回数が多い月に費用がどれだけ増えたかを見ると、売買しすぎに気づくきっかけにもなります。
損益分岐の勝率が少し上がる
費用があると、損益が0になるために必要な勝率は、費用がない時より少し高くなります。たとえば、MT4/MT5 のチャート(ふつうは売値。ほかのアプリはヘルプで確かめてください)で見て、入った所から上下 20pips に利確と損切りを置いた買いでは、買値はスプレッドの分だけ高いので、スプレッドが 1pips なら、実際の損益は益 19pips・損 21pips になります。損益分岐の勝率は 50% から 52.5% に上がります(21 ÷ (19 + 21)。計算の例)。損益分岐の勝率の計算で、リスクリワードに 19 ÷ 21(約0.905)を入れると、同じ約52.5%になります。
スワップは、持つ日数で効いてくる
何日も持つ取引では、スワップの合計が大きくなることがあります。スワップの計算で、持ち越す日数分の額を出せます。
知られていること(短く)
米国の証券業界の自主規制機関(FINRA)は、頻繁に売買すると費用が高くなりうるし、手取りを減らしうると注意しています。[1] 株などの証券の話ですが、1回ごとに費用がかかるのは FX も同じです。
費用を数えても、それだけで成績が良くなるとは限りません。それでも、見えていなかった数字が見えるようになり、回数や持ち方を自分で見直すきっかけになります。
参考文献
- FINRA. Frequent Intraday Trading: Understanding the Basics. https://www.finra.org/investors/investing/investment-products/stocks/day-trading