損益が0になる勝率の計算
1回あたりの平均の損益は、次の式で表せます(ここでの計算)。
1回あたりの平均の損益 = 勝率 × 平均の利益 − 負け率 × 平均の損失
これが0になる勝率を p とすると、p × 平均の利益 =(1 − p)× 平均の損失 なので、p = 平均の損失 ÷(平均の利益 + 平均の損失)= 1 ÷(1 + リスクリワード)です。
たとえば、勝率60%でも、勝った時の平均が負けた時の平均の半分(リスクリワード0.5)なら、損益が0になる勝率は約66.7%なので、損益は0を下回る計算です。勝率40%でもリスクリワードが2なら、境目は約33.3%なので、0を上回る計算です。同じように、勝率75%・リスクリワード0.5なら、境目の約66.7%を上回ります(どれも費用を入れず、過去の平均が続くと仮定した場合)。どの組み合わせをすすめるものでもなく、境目を超えれば利益が出るという約束でもありません。勝率やリスクリワードは過去の平均で、取引の数が少ないうちは、どちらも大きく揺れます。
MT5 のレポートから、実際の値を出す
MT5 のテストのレポートには、次のような数字が出ます。[1]
- 勝ちトレード(勝率 %): 利益が出た取引の数と、全部の取引の中での割合
- 取引平均利益: 利益の合計を、勝ちトレードの数で割ったもの
- 取引平均損失: 損失の合計を、負けトレードの数で割ったもの
- プロフィットファクター: 利益の総額と損失の総額の比。1は、2つが同じという意味
これはテストのレポートの数字ですが、実際の取引の記録でも、ほかの取引ツールや口座の履歴でも、平均の利益と平均の損失が分かれば同じ計算ができます。取引平均利益 ÷ 取引平均損失(マイナスの符号は外す)が、実際のリスクリワードです(ここでの計算)。プロフィットファクターが1なら、利益の総額と損失の総額が同じで、損益は0です。[1] プロフィットファクターは、利益の総額 ÷ 損失の総額(損失の符号は外す。ここでの読み方)で計算されます。[2]
なお、勝ちトレードは利益が出た取引、負けトレードは損失が出た取引の数なので、損益が0の取引があると、2つの割合を足しても100%にならない場合があります(ここでの読み方)。
予定のリスクリワードと、実際がずれる理由
入る前に「損切り20pips・利確40pips(リスクリワード2)」と決めていても、実際の平均はそうならないことがよくあります。
- 利確を早める: 含み益が出ると早く決済したくなり、平均の利益が小さくなる
- 損切りを動かす: 損切りを遠くへずらすと、平均の損失が大きくなる(損切りを動かしてしまう理由)
- 費用: スプレッドや手数料の分、利益は小さく、損失は大きくなる(取引の費用の数え方)
最初からルールとして早めに決済する方法もあり、その場合は予定どおりです。予定のリスクリワードと、記録から出した実際のリスクリワードを並べると、どこでずれているかが見えてきます。
自分の記録で確かめる(決めるのはご自身)
どのリスクリワードで取引するかは、この記事では決めません。勝率と組み合わせて、ご自身の記録で確かめてください。
- 入る前に決めた損切りと利確の幅
- 実際に決済した所と、その時の気持ち(早く利確した・損切りを動かした など)
- 1か月ごとの勝率と、実際のリスクリワード
勝率とリスクリワードから損益が0になる勝率を出すには損益分岐の勝率、損益の一覧から勝率や平均の損益を出すには取引履歴の統計が使えます。勝率がそのままでも連敗がどれくらい起きるかは連敗の確率にまとめています。
参考文献
- MetaQuotes. Testing Report(MetaTrader 5 ヘルプ). https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/algotrading/testing_report
- MetaQuotes. Testing Statistics(MQL5 リファレンス). https://www.mql5.com/en/docs/constants/environment_state/statistics