勝率と回数ごとの、連敗の確率
前の結果が次の結果に影響しない(毎回の勝ち負けが独立)、勝率がずっと同じ、と仮定して、「その回数のうちに、N連敗以上が一度でも起きる確率」を計算しました。
- 勝率35%: 5連敗以上 99.5%、7連敗以上 85.0%、10連敗以上 36.8%
- 勝率40%: 5連敗以上 97.6%、7連敗以上 68.9%、10連敗以上 20.5%
- 勝率45%: 5連敗以上 92.0%、7連敗以上 49.7%、10連敗以上 10.1%
- 勝率50%: 5連敗以上 81.0%、7連敗以上 31.8%、10連敗以上 4.4%
- 勝率60%: 5連敗以上 45.9%、7連敗以上 8.9%、10連敗以上 0.6%
- 勝率50%: 5連敗以上 96.6%、7連敗以上 54.4%、10連敗以上 9.0%
- 勝率60%: 5連敗以上 71.4%、7連敗以上 17.5%、10連敗以上 1.2%
回数を重ねるほど、長い連敗は、めったにない不運というより、前もって数えておくものに近づきます。ご自身の勝率と回数は、連敗の確率で計算できます。
計算の方法: 連敗の長さを1回ずつ追う計算(動的計画法)で、正確な確率を出しています。勝率は、ご自身の記録などから入れる仮の値です。この計算は勝ち負けの回数だけを見ていて、1回の勝ち・負けの大きさ(リスクリワード)は入っていません。1回の利益を大きく取る手法では勝率が低めになることがあり、その場合は上の表のとおり、長い連敗も起きやすくなります。勝率とリスクリワードの組み合わせは、損益分岐の勝率で確かめられます。記録の勝率そのものが、何回分の記録でどこまで当てになるかは、勝率は何回で、どこまで信じられるかにまとめています。
連敗だけでは、手法の良し悪しは分からない
勝率が同じでも、回数が増えれば長い連敗は自然に起きます。そのため、連敗の数だけで「手法が壊れた」とも「問題ない」とも言えません。一方で、実際の相場では勝率は一定ではなく、上の数字は「勝率が変わらなかったら」という前提の値です。
連敗の時に見返すと役に立つのは、次のような点です。
- 連敗したトレードは、自分のルールどおりに入った負けだったか
- 途中から、ロットを上げたり、条件のそろわない場面で入ったりしていないか
- いつもと違う時間帯・違う通貨ペアで取引していないか
ルールどおりの負けが続いたのか、崩れた負けが混ざっているのかで、見直す所が変わります。
「次こそ勝つはず」も、この前提では言えない
前の結果が次に影響しないなら、連敗の後も、次の1回の勝率は連敗の前と同じです。人は、少ない回数の結果にも全体と同じ割合が表れるはずだと考えやすいことが知られています(研究者を対象にした調査でも見られました)。[1] 「5回負けたから、次は勝つ」も、その形の1つです。逆に「流れが悪いから次も負ける」も、この前提では言えません。連敗の後にロットを上げたくなった時は、取り返しトレードのやめ方も参考にしてください。
連敗で、口座はどれくらい減るか
1回の損失を残高の何%にしているかで、連敗した時の減り方が決まります。1回の損失を、いつも今の残高の同じ割合にしている場合の計算です。
- 1回1%: 5連敗で −4.9%、10連敗で −9.6%
- 1回2%: 5連敗で −9.6%、10連敗で −18.3%
- 1回5%: 5連敗で −22.6%、10連敗で −40.1%
(負けるたびに残高が減るので、単純な掛け算より少しだけ小さくなります。)この割合は人によって違い、ここに並べた数字は計算の例です。おすすめの割合ではありません。
口座に「ここまで減ったら終わり」という上限がある場合は、最初の確率の表で起きやすい連敗の数と照らし合わせて、上限まで何連敗の余裕があるかを確かめておくと、連敗した時に慌てにくくなります。プロップファームの口座なら会社の最大ドローダウン、そうでない人は自分で決めた最大の損失に置き換えてください。(上限を最初の残高から測る口座では、上の減り方とは少し違います。)損失の上限の計算では、1回の許容損失を入れると、1日の上限に何回の負けで届くかが分かります。
連敗する前に、決めておくこと
連敗は起きるもの、と分かっていても、その場では揺れます。だから、連敗する前に決めておきます。数字は一例です。ご自身の記録と、上の表を見て決めてください。
- もし3連敗したら → 30分休む
- もし5連敗したら → その日は終わり
- 連敗の後も → ロットは変えない(上げない)
- 連敗が続いたら → 記録を見返して、ルールどおりの負けだったか確かめる
トレードの損が、お金・睡眠・家族や人との関係にまで響いているなら、信頼できる人や、お住まいの地域のギャンブルなどの依存の相談窓口に話すことも考えてください。
参考文献
- Tversky, A., & Kahneman, D. (1971). Belief in the law of small numbers. Psychological Bulletin, 76(2), 105–110. https://doi.org/10.1037/h0031322