確証バイアスとは
心理学の研究をまとめた論文では、確証バイアスを、証拠を探したり読み取ったりする時に、すでに持っている考えや期待、仮説の側に寄ってしまうこと、と説明しています。[1] ふつうは、本人が意図せずに、情報を選んで集めたり使ったりしてしまうことを指します。[1]
同じ論文は、自分の立場を支える情報ばかり集めたり重く見たりして、反対の情報は集めなかったり軽く見たりする、という形も挙げています。確証バイアスは、これを本人が気づかないうちにしてしまうこと、とされています。[1]
カナダのオンタリオ州証券委員会の投資家向けのページも、確証バイアスを、自分の考えを裏づける情報を探し、好み、そのように読み取る傾向と説明し、最も根深い心のくせの1つだと書いています。[3]
株の掲示板の投資家を調べた研究
韓国の大きな株の掲示板の運営会社で行った実験で、投資家の回答502件を調べた研究があります。研究の要旨によると、次のような結果でした。[2]
- 投資家は、もともとの自分の考えを支える書き込みを、より重く扱う傾向があった(確証バイアス)
- この傾向は、市場にくわしいと自分で思っている人や、ある銘柄への思いが強い人ほど、はっきり出た
- 確証バイアスが見られた人は、自信も過剰な傾向があり、そのぶん取引が多く、市場の上がり幅(リターン)を根拠以上に高く見込んでいた
これは株の掲示板の研究で、FX にそのまま当てはまるとは限りません。1つの国の1つの掲示板での調査で、ほかの国や市場の人に同じように当てはまるとも限りません。また、ここで書いたのは研究の要旨の内容だけです。自信の過剰と取引の多さについては、過信と取引の多さにもまとめています。
トレードで起きやすい場面
たとえば、次のような場面です(ここでの例です)。
- 入りたいと思った後に、入る理由になる投稿やニュースばかり探してしまう
- 持っているポジションに不利なニュースを「たいしたことない」と読み流してしまう
- 使っている手法の、勝ったトレードはよく覚えていて、負けたトレードは思い出しにくい
オンタリオ州証券委員会のページは、自分が正しいと思っていても、控えめに考える側に寄るほうがよいかもしれない、と書いています。[3]
自分の記録で確かめる(決めるのはご自身)
確証バイアスは本人が気づきにくいので、その時の感覚より、残した記録のほうが確かめやすくなります。たとえば次のように残しておくと、後から比べられます。
- 入る前に「合わない理由」も1行書く: 入る理由だけでなく、「この考えが外れるとしたら何か」もメモに残す(例:「下の線を割ったら外れ」「発表の数字が弱ければ外れ」)
- 手法ごとに、負けたトレードも全部見る: 勝ったトレードだけでなく、負けも同じ一覧で見る
- 「自信があった」時の結果: 自分で作った気持ちのタグ(例:「自信があった」)ごとに、勝率や平均の損益を比べる
損益の一覧は取引履歴の統計で、勝率や平均の損益にまとめられます。どう売買するかは、この記事では決めません。
参考文献
- Nickerson, R. S. (1998). Confirmation bias: A ubiquitous phenomenon in many guises. Review of General Psychology, 2(2), 175–220. https://doi.org/10.1037/1089-2680.2.2.175
- Park, J., Konana, P., Gu, B., Kumar, A., & Raghunathan, R. (2013). Information Valuation and Confirmation Bias in Virtual Communities: Evidence from Stock Message Boards. Information Systems Research, 24(4), 1050–1067. https://doi.org/10.1287/isre.2013.0492
- Ontario Securities Commission (GetSmarterAboutMoney.ca). Confirmation bias: A fundamental risk to your investing decisions. https://www.getsmarteraboutmoney.ca/learning-path/psychology-of-investing/how-confirmation-bias-poses-a-risk-to-your-investing-decisions/