注文の種類の早見表
この記事では、それぞれを「何をする注文か」「いつ使われるか(例)」「注意」の順に短く見ていきます。「いつ使われるか」は、よくある使われ方の例で、おすすめではありません。
値段の決め方で分ける
成行
- 何をする: 値段を決めずに、今の値段ですぐに売買します。[3]
- いつ使われるか(例): すぐに入りたい時や、すぐに決済したい時。
- 注意: 見えていた値段と、約定した値段がずれることがあります(スリッページとは)。
指値(Limit)
- 何をする: 今より有利な値段を決めて待ちます。買いなら今より安く、売りなら今より高く置きます。[1] MT5 のヘルプでは、置いた値段か、それより良い値段で約定するとされています。[2]
- いつ使われるか(例): 下がってきたら買いたい時や、利確の値段を置いておく時。
- 注意: 値段が届かなければ、約定しません。
逆指値(Stop)
- 何をする: 今より不利な値段を決めて待ちます。買いなら今より高く、売りなら今より安く置きます。[1]
- いつ使われるか(例): 損切りや、値段が一方へ抜けたら入りたい時。
- 注意: 置いた値段か、それより悪い値段で約定するとされています。[2] 週明けなどに値段が飛ぶと、大きくずれることがあります(窓開け(ギャップ)とは)。
指値と逆指値を、買い・売りでどこに置くか(Buy Limit・Sell Limit・Buy Stop・Sell Stop)は、指値と逆指値の違いの回で図にしています。
ストップリミット(Stop Limit)
- 何をする: 逆指値の値段に届いたら、決めた値段の指値の注文を出します。MT5 のヘルプでは、逆指値を使いつつ、スリッページを抑えたい時の注文と説明されています。[2]
- 注意: 届いた後は指値なので、値段が指値を越えて動いてしまうと、約定しないことがあります。米国の証券業界の自主規制機関 FINRA も、株の説明で、ストップリミットは逆指値の値段に届くと指値の注文になる、としています。[4]
組み合わせる注文
損切り・利確を付けた注文
- 何をする: 入る注文を出す時に、損切り(Stop Loss)と利確(Take Profit)の値段も一緒に決めておきます。MT5 の注文の画面には、この2つの欄があります。[2]
- 注意: 損切りは逆指値なので、置いた値段より悪い値段で決済されることがあります。損切りと利確の値段は、損切り・利確の価格の計算で確かめられます。
OCO
- 何をする: 2つの注文を一度に出し、片方が約定したら、もう片方は自動で取り消されます。OCO は「One Cancels the Other」(片方がもう片方を取り消す)の頭文字です。日本の金融先物取引業協会の説明も、その一例です。[3]
- いつ使われるか(例): 持っているポジションに、利確の指値と損切りの逆指値を両方置いておく時。
IFD(イフダン)
- 何をする: 新規の注文と決済の注文を同時に出します。[3] 1つ目(新規)が約定すると、2つ目(決済)が有効になります。
- いつ使われるか(例): 相場をずっと見ていられない時。協会もこの場面を挙げています。[3]
IFO(IFDOCO)
- 何をする: IFD と OCO を合わせた注文です。[3] 新規の注文が約定したら、利確と損切りの2つの決済の注文が有効になり、片方が約定すると、もう片方は取り消されます。
どれも、決済の注文が損切り(逆指値)なら、置いた値段より悪い値段で約定することがあります。
IFD・IFO という呼び名は、上の協会の説明でも使われています。ほかの国の業者やソフトでは、別の名前だったり、名前がなかったりします。
あとから動く損切り: トレーリングストップ
- 何をする: 値段が有利な方へ動くと、それに合わせて損切りの値段を自動で動かします。MT5 のヘルプでは、損切りを手で動かす作業を自動にするもの、と説明されています。[1]
- 注意(MT5): MT5 のヘルプでは、トレーリングストップは、損切りや利確と違い、サーバーではなく取引プラットフォーム(パソコンなどのアプリ)の中で動くため、プラットフォームを閉じていると働かない、とされています。[1] スマホ版やほかのソフトでは使えないことがあり、業者のアプリでは、しくみが違うことがあります。
損切りを動かす前に考えたいことは、損切りを動かす前にの回にあります。
注文の条件: 有効期限と約定のしかた
有効期限
MT5 では、待機注文(指値・逆指値など、決めた値段に届くまで待っている注文)に、次の有効期限を選べます。[2]
- GTC(無制限): 手で取り消すまで残ります。
- 当日: その取引日の間だけ有効です。
- 指定: 決めた日時まで有効です。
- 有効期限: 指定した日の 00:00 まで有効です。
業者やソフトで、画面の名前が違うことがあります。業者のアプリでは、選べる期限も違うことがあります。
約定のしかた(FOK・IOC など)
初心者は、あとで読めば十分です。注文がすぐに・全部約定できるかどうかで、注文をどう扱うかの決まりです。MT5 のヘルプでは、次のように説明されています。[1]
- FOK(Fill or Kill): 注文した量の全部でしか約定しません。そろわなければ、約定しません。
- IOC(Immediate or Cancel): その時にそろう量だけ約定し、残りは取り消されます。
- BOC(Book or Cancel): 板(Depth of Market)に置くことだけができる注文です。出した時にすぐ約定できてしまう場合は、取り消されます。指値とストップリミットだけで使えます。
- リターン(Return): 一部だけ約定した時、残りの量は取り消されず、そのまま処理が続きます。
どれを選べるかは、口座の約定方式などで変わります。[1]
MT4・MT5 の注文と、業者のアプリの注文
MT5 のヘルプの注文の一覧は、成行と、Buy Limit・Sell Limit・Buy Stop・Sell Stop・Buy Stop Limit・Sell Stop Limit の待機注文です。そこに、損切り・利確・トレーリングストップを付けられます。[1] OCO・IFD・IFO という名前は、この一覧には出てきません。
MT5 で、待機注文に損切りと利確を付けておくと、形は IFD や IFO に似ています。ただし、名前も細かい動きも同じとは限りません。
OCO・IFD・IFO は、業者が自分で用意している取引アプリなどで見かける名前です。同じ名前でも、選べる組み合わせや動き方は、業者で違うことがあります。MT4 やスマホのアプリも、MT5 のパソコン版と、選べる注文が違うことがあります。使う前に、自分のソフトや業者の説明で確かめてください。
自分のソフトで使えるかは、業者のアプリの注文画面で「OCO」「IFD」「IFO」の文字を探してください。なければ MT5 では、待機注文に損切り・利確を付けておく形で、近いことができます。
自分の記録で確かめる(決めるのはご自身)
どの注文を使うかは、この記事では決めません。注文の使い方を見直したい時は、次のことを記録しておくと、後から見返せます。
- どの注文で入ったか(成行・指値・逆指値・IFD など)
- どの注文で決済したか(利確・損切り・手で決済・トレーリングストップ)
- 置いた値段と、実際に約定した値段
ロット数はロット計算で、損切り・利確の値段は損切り・利確の価格の計算で確かめられます。言葉の意味はFX の用語集にもまとめています。
参考文献
- MetaQuotes. 基本理念 - 取引操作 - MetaTrader 5のヘルプ. https://www.metatrader5.com/ja/terminal/help/trading/general_concept
- MetaQuotes. 取引の実行 - 取引操作 - MetaTrader 5のヘルプ. https://www.metatrader5.com/ja/terminal/help/trading/performing_deals
- 金融先物取引業協会. 取引スキーム | FFAJの学ぼう!FX. https://www.ffaj.or.jp/learning/?p=13
- FINRA. (2016). Regulatory Notice 16-19: FINRA Issues Guidance Regarding the Use of Stop Orders During Volatile Market Conditions. https://www.finra.org/rules-guidance/notices/16-19