真の値幅(True Range)の測り方
ATR のもとになるのは、1本ごとの「真の値幅」です。MT5 のヘルプでは、真の値幅は次の3つのうち一番大きいものとされています。[1]
今の足の高値と、今の足の安値の差
前の足の終値と、今の足の高値の差
前の足の終値と、今の足の安値の差
差は、マイナスを取った大きさで比べます。
ふつうは「高値 − 安値」がそのまま真の値幅になります。違いが出るのは、前の足の終値から窓(ギャップ)をあけて始まった時です。窓とは、前の足の終値から離れた値段で次の足が始まることで、週明けや大きな発表の後などに起きます。その場合、窓の分も値幅に数えるので、足そのものの高値 − 安値より大きくなります。
ATR の計算
ATR は、この真の値幅を、決めた本数で移動平均したものです。[1] 移動平均は、直近の決めた本数の平均を、1本進むごとに出し直したものです。たとえば直近3本の真の値幅が 20・30・40pips なら、3本の ATR は 30pips です(作った例)。期間を14にすると、直近14本の真の値幅の平均が、だいたいの「1本あたりの動く幅」になります。平均のとり方は道具によって少し違うことがあり、同じ期間でも数字が少しずれることがあります。
ATR で分かること・分からないこと
- 分かること: 最近の足が、だいたいどれくらいの幅で動いていたか。数字が大きいほど、値動きが荒かった
- 分からないこと: 上がるか下がるか(ATR は向きを表しません)
- 分からないこと: この先も同じ幅で動くか(過去の平均なので、急に荒くなった時は遅れて大きくなります。インジケーターが遅れる理由)
また、ATR は値段の幅そのものなので、数字の大きさは通貨ペアや時間足で変わります。値段が150前後の通貨ペアと1前後の通貨ペアでは桁が違い、日足と5分足でも大きく違います。比べる時は、同じ通貨ペア・同じ時間足どうしで見ます。
損切りの幅と ATR(決めるのはご自身)
損切りの幅を決める時に、ATR を目安の1つにする人もいます。ただ、ATR の何倍にするか、そもそも使うかどうかに決まった正解はなく、この記事では決めません。使うなら、次のことを記録しておくと、自分の場合にどうだったかを後から見られます。
- 入った時の ATR(通貨ペアと時間足も一緒に)
- 損切りの幅と、それが ATR の何倍だったか
- 損切りにかかったか、利確まで届いたか
損切りの値段は損切り・利確の価格の計算で、損切りの幅から1回の損失を一定にするロットはロット計算で出せます。窓をあけて始まった時に損切りが置いた値段どおりにならないことは、指値と逆指値の違いにまとめています。
参考文献
- MetaQuotes. Average True Range(MetaTrader 5 ヘルプ). https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/indicators/oscillators/atr