%K と %D の計算
MT5 のヘルプでは、ストキャスティクスは次のように計算されます。[1]
%K =(今の終値 − 直近の最安値)÷(直近の最高値 − 直近の最安値)× 100
%D = %K の移動平均
たとえば、直近5本の最高値が 1.1050、最安値が 1.1000 で、今の終値が 1.1040 なら、%K =(1.1040 − 1.1000)÷(1.1050 − 1.1000)× 100 = 80 です(この記事での計算例)。直近の値幅の、下から8割の所で終わった、という意味になります。
MT5 には、この %K をなめらかにする「スロー化」の設定もあります。ヘルプでは、スロー化 1 を「ファスト」、3 を「スロー」のストキャスティクスと呼んでいます。[1] MT5 に付いている見本のコードでは、スロー化が3なら、直近3本ぶんの「終値 − 最安値」を足した物を、3本ぶんの「最高値 − 最安値」を足した物で割っています(最安値・最高値は、それぞれの足から見た直近5本の物)。[2]
スロー化した %K =(直近3本の「終値 − 最安値」の合計)÷(直近3本の「最高値 − 最安値」の合計)× 100
%D = スロー化した %K の、直近3本の単純平均(%D 3本の時)
下の図は、この計算で %K 5本・スロー化 3・%D 3本にしています。スロー化が1なら、上の %K の式そのままです。%K を何本で見るか、スロー化、%D を何本で平均するかは、設定で変えられます。道具によって設定の名前や初期値が違うことがあるので、同じ「ストキャスティクス」でも線が少しずれることがあります。
RSI との違い
RSI は、直近の上がった幅と下がった幅を比べた数字です。ストキャスティクスは、直近の値幅の中で、今の終値がどこにあるかを見る数字です。どちらも0〜100で表し、似た形に動くことが多いですが、計算しているものは違います。
80・20の線は何を表しているか
80以上は「買われすぎ」、20以下は「売られすぎ」と呼ばれることが多いです(70・30の線を使う人もいます)。ただ、80以上は「今の終値が、直近の値幅の上の方にある」という意味で、この先に下がるという予想ではありません。
図のように、強く上がっている間は、終値が毎回、直近の高い所で終わるので、ストキャスティクスは80より上にとどまりやすくなります。反対に、強く下がっている間は20の近くか、それより下にとどまりやすくなります。横ばいの時は、上下の線を何度も行き来します。過去の値動きから計算するので、ほかのインジケーターと同じく遅れて動きます(インジケーターが遅れる理由)。
自分の使い方を確かめる(決めるのはご自身)
ストキャスティクスを使うかどうか、どの設定・どの線を使うかは、この記事では決めません。使うなら、次のことを先に決めて記録しておくと、自分の場合にどうだったかを後から見られます。
- 何を見るか: 80・20を「超えた時」か「戻ってきた時」か、%K と %D の交差か
- いつ見るか: 足が閉じた(確定した)時だけか、足の途中も見るか
- どう残すか: 手法の名前に「ストキャス 5・3・3」のように設定まで書く
記録した損益の一覧は取引履歴の統計で、勝率・平均の損益・最長の連敗にまとめられます。件数が少ないうちは、数字は大きくぶれます。ほかのインジケーターはMACDとは、ボリンジャーバンドとはも参考にしてください。
参考文献
- MetaQuotes. Stochastic Oscillator(MetaTrader 5 ヘルプ). https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/indicators/oscillators/so
- MetaQuotes. Stochastic.mq5(MetaTrader 5 に付属する見本のコード。MT5 のデータフォルダの MQL5\Indicators\Examples にあります)