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SMAとEMAの違い

MT5 などで移動平均を入れようとすると、SMA と EMA のどちらにするかを選ぶ画面が出てきます。同じ20本でも、線の形や向きを変える時期が少し違います。この記事では、2つの計算のしかたと、何が違って見えるのかを、図と計算で見ていきます。どちらを使うべきかは、この記事では決めません。

公開 2026年10月13日書いた人: Tiltnote 運営代表 奥村 健児(FX の経験があります)

ひとことで言うと

SMA(単純移動平均)は、直近N本の終値を同じ重さで平均します。EMA(指数移動平均)は、新しい値ほど重く、古い値ほど軽くして平均します。そのため、同じ期間でも、EMA の方が最近の値動きに早く反応しやすくなります。

SMA の計算

N本の SMA は、今の足を含む直近N本の終値を足して、Nで割ったものです。[1] 20本の SMA なら、20本それぞれが 1 ÷ 20 = 5% ずつの重さで入ります。それより前の値は、まったく入りません。

EMA の計算

EMA は、1本前の EMA に、今の終値を少しだけ混ぜて計算します。[1]

今の EMA = 今の終値 × α + 1本前の EMA × (1 − α)
α = 2 ÷ (N + 1)

α = 2 ÷ (N + 1) は、広く使われている決め方です(MT5 ヘルプの式には、α の決め方は書かれていません)。20本の EMA なら α = 2 ÷ 21 で、約9.5%です。今の終値に約9.5%、1本前に約8.6%、2本前に約7.8%と、古くなるほど少しずつ軽くなります。重さは0にはならないので、20本より前の値も少しずつ入っています(ここでの計算では、直近20本より前の値の重さを合わせると約13.5%)。

20本のSMAは直近20本に5%ずつ同じ重さを置き、それより前は0。20本のEMAは今の足に約9.5%を置き、古い足ほど少しずつ軽くなる棒グラフ。
何本前の終値に、どれだけの重さが付くか。SMA(点線)は20本まで同じ5%で、その先は0。EMA(棒)は新しいほど重く、古いほど軽くなります。

遅れの目安は、どちらも同じくらい

まっすぐ上がり続ける値動きでは、N本の SMA も、α = 2 ÷ (N + 1) の EMA も、遅れの目安は (N − 1) ÷ 2 本で同じになります(計算はインジケーターが遅れる理由)。「EMA なら遅れない」わけではありません。

違いが出るのは、値動きの向きが変わる時と、1本だけ大きく動いた時です。

折り返しでは、EMA が先に向きを変えやすい

EMA は新しい値を重く入れるので、価格が折り返すと、SMA より先に向きを変えやすくなります。下の作った値動きでは、価格の折り返しから、EMA は7本後、SMA は10本後に下を向きました。

上がって折り返す値動きに、20本のSMAと20本のEMAを重ねた図。価格の折り返しから、EMAは7本後、SMAは10本後に下を向く。
作った値動きの例。EMA(実線)は7本後、SMA(点線)は10本後に下を向いています。本数は値動きの形で変わります。

早く向きを変えるのは、良いことばかりではありません。小さな上下にも反応しやすくなるので、横ばいの時には、向きが何度も入れ替わりやすくもなります(ゴールデンクロス・デッドクロスの「だまし」と同じ話です)。

1本だけ跳ねた時、SMA は2回動く

SMA には、EMA にはない動き方があります。1本だけ大きく跳ねた値は、SMA に入った時に線を押し上げ、N本後にその値が平均から外れる時に、もう一度線を動かします。その時の価格が何も動いていなくても、SMA だけが動きます。

EMA では、跳ねた値の重さが少しずつ軽くなっていくので、線はなだらかに戻ります。

横ばいの値動きで1本だけ大きく跳ねた図。SMAは跳ねた時に上がり、20本後にその値が外れる時にまた下がる。EMAは跳ねた時に上がり、その後は少しずつ戻る。
作った値動きの例(縦を拡大し、跳ねた所の上は切っています)。SMA(点線)は、跳ねてから20本後に、価格はほぼ横ばいなのに下がっています。

SMA の線が急に向きを変えた時、それが今の値動きのせいなのか、N本前の値が外れたせいなのかは、線だけでは分かりません。N本前に大きく動いた足がなかったかを見ると、見分けやすくなります。

MT5 で選べるほかの種類

SMA や EMA は、多くのチャートソフトで選べます。名前や選べる種類は道具によって違うので、ここでは MT5 の例を書きます。MT5 の移動平均では、SMA と EMA のほかに、平滑移動平均(SMMA)と線形加重移動平均(LWMA)も選べます。[1] LWMA は、新しい値ほど重くする点は EMA と同じですが、重さが一定の幅で減っていき、N本より前は入りません。

どちらを使うか(決めるのはご自身)

どちらが良いかは、相場・時間足・使い方で変わるので、この記事では決めません。分かっているのは、次のような性質の違いです。

どちらかを使うなら、手法の名前に「SMA 20」「EMA 20」のように種類と期間まで書いて記録しておくと、自分の場合にどうだったかを後から比べられます。損益の一覧は取引履歴の統計で、勝率・平均の損益・最長の連敗にまとめられます。件数が少ないうちは、数字は大きくぶれます。

参考文献

  1. MetaQuotes. Moving Average(MetaTrader 5 ヘルプ). https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/indicators/trend_indicators/ma

この記事で使えるツール

使った移動平均の種類も、記録に残す。

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更新日 2026年10月20日 · 運営: Tiltnote 運営代表 奥村 健児 · このサイトについて