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チャートの種類を、同じ値動きで比べてみる

チャートの種類は、ローソク足のほかにもたくさんあります。種類によって、同じ値動きがまったく違う形に見えます。この記事では、1つの作り物の値動き(40本)から、8種類の図を描いて並べました。それぞれの作り方と、見え方の違い、気をつけたい点をまとめます。どの種類を使うべきか、どの形が売買の合図かは、この記事では扱いません。

公開 2026年10月25日書いた人: Tiltnote 運営代表 奥村 健児(FX の経験があります)

ひとことで言うと

チャートの種類を変えると、同じ値動きでも形がまったく変わります。時間ごとに足を作る種類と、値動きの大きさだけで足を作る種類があり、平均足の値は実際の価格ではありません。どの種類を見ているかで、読み取れることも、読み違えやすい所も変わります。

この記事で分かること

ここでは、次の順に見ていきます。図は全部、同じ作り物の値動き(40本)から描いています。実際の相場ではなく、形の違いを見るための例です。

  1. ローソク足・バー・ライン(時間ごとに作る基本の3つ)
  2. 平均足(平均を取って作る足)
  3. 時間を使わない足の考え方
  4. 練行足(設定を変えた2枚)
  5. 新値足
  6. カギ足とポイント&フィギュア
  7. MT4/MT5 で出せる種類
  8. よくある誤解
  9. バックテストの注意と、記録のしかた

ローソク足・バー・ライン

いちばん基本の3つです。どれも、1本が一定の時間(15分・1時間・1日など)を表します。ローソク足とバーは、始値・高値・安値・終値の4つの値段を表し、ラインは終値だけをつなぎます。

ローソク足・バー・ライン: 同じ40本の値動きを3段に並べた図。上段がローソク足、中段がバー、下段がライン。いずれも最初の十数本で上がり、中ほどで下がり、後半はもみ合いながら少し上がる。
同じ40本の値動き。上からローソク足、バー、ライン。例のデータで、実際の相場ではありません。

ローソク足は、始値と終値の間を四角(実体)で、高値と安値を線(ひげ)で描きます。上がった足は白抜き、下がった足は塗りつぶしです(色は道具の設定で変わります)。バーは、縦線が高値と安値で、左の小さな線が始値、右の小さな線が終値です。ラインは終値だけなので、足の中の上下(ひげ)は見えなくなり、そのぶん流れだけが残ります。見え方の読み方はローソク足の見方の記事にまとめています。

平均足

平均足(へいきんあし、英語では Heikin-Ashi)は、ローソク足と同じ形で描きますが、4つの値段をそのまま使わず、平均を取って作り直した値で描きます。前の足ともならして作るので、ふつうのローソク足とは形も位置も違って見えます。StockCharts(チャートソフトの会社)の解説には、次の式が載っています。[2]

始値が「1本前の平均足」から引き継がれるので、前の足の影響が次の足に残ります。同じ解説は、平均足を「ノイズ(細かい上下)を一部ならして、流れをつかみやすくしようとするもの」と説明しています。[2]

平均足とローソク足の比較: 同じ40本の値動きを、ローソク足(上)と平均足(下)で並べた図。平均足は同じ向きの足が続いて形がなめらか。丸を付けた2本目の足は、実際の終値104.19に対し平均足の終値が102.00。
上がふつうのローソク足、下が平均足。同じ値動きでも、平均足は同じ向きの足が続いて見えます。例のデータで、実際の相場ではありません。

こうなればこう見える: 小さな上下がならされるので、図の下段のように、同じ向きの足が並んで見えやすくなります。

平均足の値は、実際の価格ではありません

平均足の始値・終値・高値・安値は、実際に取引された値段ではなく、計算で作った値です。図の丸を付けた2本目の足を比べると、実際のローソク足の終値は 104.19 ですが、平均足の終値は 102.00 です(始値 100.06・高値 104.57・安値 99.19 から計算)。平均足の足の先を目印に損切りの位置を決めたり、約定した値段を読んだりすると、実際の価格とずれた場所を読み違えることになります。実際の価格は、ふつうのローソク足やラインで確かめてください。

時間を使わない足とは

ここまでの足は、1本が一定の時間でした。ここから先の4つ(練行足・新値足・カギ足・ポイント&フィギュア)は、時間ではなく、値段の動きだけで足を作ります。決まった大きさ(または条件)の動きがあった時だけ、新しい足や線が増えます。動きが小さければ何も増えず、動きが大きければ一度にいくつも増えます。

このため、横の並びは時間ではなく「できた順番」です。1つ右の足が、1分後なのか1日後なのかは、図からは分かりません。そのぶん、細かな動きが消えて、値段の大きな流れだけが見えます。同じ40本でも、足の数は種類と設定で大きく変わります(足を増やす条件が種類ごとに違う、仕組みのためです)。

練行足(れんこうあし)

練行足(英語では Renko)は、値段が決めた大きさ(箱の大きさ)だけ動いた時に、1つ「れんが」を足していく種類です。StockCharts の解説では、箱の大きさを10ポイントにすると、10ポイント以上の動きがあって初めて次の箱が描かれ、それより小さな動きは無視されます。箱は斜めに階段のように並びます。[3]

反転(上げから下げ、またはその逆)のしかたはソフトによって少し違います。この記事の図は、終値で、直前の箱の先から箱2つ分、逆に動いた時に反転する決め方で描いています。

練行足(箱1): 同じ値動きが33個の箱になり、上がる階段、下がる階段、また上がる階段になる。
箱の大きさ1。33個の箱になりました。例のデータで、実際の相場ではありません。
練行足(箱2.5): 同じ値動きが10個の箱だけになり、細かな上下は消える。
箱の大きさ2.5。同じ値動きが10個の箱になりました。例のデータで、実際の相場ではありません。

こうなればこう見える: 箱を小さくすると、細かな動きまで拾って箱が増えます。箱を大きくすると、小さな上下は消えて、大きな流れだけが残ります。箱の大きさは、使う人が決める値で、これを変えるだけで、同じ値動きの見え方が変わります。箱の大きさを ATR(値動きの大きさの目安)で決める方法もありますが、その場合、データが増えるたびに箱の大きさが変わって、図が大きく変わることがある、と StockCharts は注意しています。[3]

新値足(しんねあし)

新値足(英語では Three Line Break)は、終値だけを使い、前の線の高値を上に抜けたら白い線、安値を下に抜けたら黒い線を足していきます。StockCharts の解説では、終値が直前の2本の高値(または安値)を反対向きに超えた時に反転します。本によっては「直前の3本」を使う説明もあり、この記事の図は直前の3本を使う決め方で描いています。動きが足りない間は線が増えません。[4]

新値足(3本): 同じ値動きから作った22本の線。白抜きの線が階段状に上がり、大きな塗りつぶしの線で反転し、小さな塗りつぶしの線が続いたあと、また白抜きの線で戻る。
新値足(3本)。線は22本になりました。例のデータで、実際の相場ではありません。

こうなればこう見える: 上げが続く間は白抜きの線が階段のように並び、この図の決め方では、直前の3本の安値を下に抜けると、大きな塗りつぶしの線が1本出て向きが変わります。線の始まりの位置の決め方は、ソフトによって少し違うことがあります。

カギ足とポイント&フィギュア

カギ足は、値段が決めた反転幅以上に逆に動いた時だけ向きを変える、1本のつながった線です。太い線と細い線があり、StockCharts の解説では、前の山を上に抜けると太い線(陽線)、前の谷を下に抜けると細い線(陰線)になります。反転幅は、ポイント・パーセント・ATR のどれかで決めます。[5]

カギ足(反転幅0.7): 縦線13本が階段のようにつながる。前の山を上に抜けた後は太く、前の谷を下に抜けた後は細くなり、山と谷に印が付いている。
反転幅0.7のカギ足。縦線は13本です。例のデータで、実際の相場ではありません。

ポイント&フィギュア(P&F)は、上げを X の列、下げを O の列で表し、列が変わるのは、決めた数の箱(StockCharts の例では3箱)ぶん逆に動いた時です。[6] 横軸に時間の目盛りはありません。箱の大きさと反転の箱の数は、使う人が決めます。この記事の図は終値で描き、箱の大きさは0.5で、反転の箱の数だけを変えています。

ポイント&フィギュア(箱0.5・3箱反転): Xの列とOの列が合わせて9本。
箱0.5・3箱で反転。列は9本です。X が上げ、O が下げ。例のデータで、実際の相場ではありません。
ポイント&フィギュア(箱0.5・1箱反転): 細かく反転するので、XとOの列が15本に増える。
箱0.5・1箱で反転。列は15本に増えました。例のデータで、実際の相場ではありません。

こうなればこう見える: 反転に必要な箱の数を減らすと、小さな逆行でも列が変わり、列の数が増えます。数を増やすと、小さな逆行は無視されて、列は少なくなります。カギ足も同じで、反転幅が小さいほど線が増え、大きいほど減ります。

MT4/MT5 で出せる種類

MetaQuotes の公式ヘルプで確かめたことだけ書きます。

つまり、公式ヘルプが標準の表示として挙げているのは、ローソク足・バー・ラインの3つです。平均足・練行足・新値足・カギ足・P&F は、確かめたヘルプのページに出てきませんでした。これらを標準で出せるかどうか、追加のインジケーターなどで出せるかどうかは、この記事では確かめられませんでした。ご自身のソフトの表示の項目や、業者の案内でご確認ください。

よくある誤解

次のような話をよく見かけますが、断定はできません。

バックテストで気をつけること

過去の値動きで売買の決まりを試す時、足の種類によって結果が変わりえます。

測り方の落とし穴はバックテストの落とし穴に、ほかの注意点をまとめています。

記録に「どの足で見たか」を書く

同じ場面でも、見ている足の種類で「いま上がっている」「止まった」の見え方が変わります。あとから振り返る時に、どの種類の足で、どの時間足(または箱の大きさ)で見ていたかが分からないと、その時の判断を再現できません。トレードの記録のメモに「ローソク足 1時間」「練行足 箱10pips」のように書いておくと、あとで自分の記録を見比べられます。損益の一覧は取引履歴の統計でまとめられます。

参考文献

  1. MetaQuotes. Charts(MetaTrader 5 ヘルプ). https://www.metatrader5.com/en/terminal/help/charts_analysis/charts
  2. StockCharts ChartSchool. Heikin-Ashi Candlesticks. https://chartschool.stockcharts.com/table-of-contents/chart-analysis/chart-types/heikin-ashi
  3. StockCharts ChartSchool. Renko Charts. https://chartschool.stockcharts.com/table-of-contents/chart-analysis/chart-types/renko-charts
  4. StockCharts ChartSchool. Three Line Break Charts. https://chartschool.stockcharts.com/table-of-contents/chart-analysis/chart-types/three-line-break-charts
  5. StockCharts ChartSchool. Kagi Charts. https://chartschool.stockcharts.com/table-of-contents/chart-analysis/chart-types/kagi-charts
  6. StockCharts ChartSchool. Point and Figure Scaling and Timeframes. https://chartschool.stockcharts.com/table-of-contents/chart-analysis/point-and-figure-charts/point-and-figure-basics/point-and-figure-scaling-and-timeframes
  7. MetaQuotes. Charts Setup(MetaTrader 4 ヘルプ). https://www.metatrader4.com/en/trading-platform/help/chart_management/charts_setup

この記事で使えるツール

どの足で見て入ったかも、記録に残す。

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更新日 2026年10月25日 · 運営: Tiltnote 運営代表 奥村 健児 · このサイトについて